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コラム

コラム

中国語事始め

若竹塾福山校 辻田 武

第一课

1.はじめに
 学校教育の場でさらに英語教育が強化されるようです。それに負けず劣らず、英語と並んで中国語の重要性も伸びてきています。以前にもソニーの中途採用募集を目にしたら、英語と中国語ができる人がその応募の条件でした。しかしながら中国語はあまり習う機会がありません。普段は英語を教えていますが、そうした世界経済情勢を聞くにつれ、英語だけでなく、中国語もやっておくと将来役に立つのだろうなと思っていました。この度、この紙面を拝借することとなりましたので、ここで中国語を紹介していこうと思います。英語だけでなく中国語など外国語に少しでも興味をもってもらえれば幸いです。

2.日本語と中国語
もちろん文字は日本語と同じ漢字で、意味も同じものがほとんど。ハングルやロシア語のように文字から覚える必要はなく、日本人にとっては勉強しやすい言語であると言えます。ただ注意しなければならないのは、よく知られているように、同じ漢字でも日中で意味が異なる場合があることです。
 例えば、手紙は中国語で「信xìn シン)」といいますが、逆に中国語で「手紙」と書くと「ティシュペーパー」という意味になってしまうのはよく知られています。他にはそれぞれ「汤(湯) tāng タン」は中国語で「スープ」、「爱(愛)人 aìren アイレン」は「伴侶」、「猪 zhū ジュゥ」は「ブタ」、「汽車 qìchē チーシュ」は「自動車」、「工作 gōnzuò ゴンツゥオ」は「仕事」、「告诉gàosu ガオス」は「知らせる」、「新聞 xīnwén シンウェン」は「ニュース」、「東西 dōngxi トンシ」は「品物」、「老師 lǎoshi ラオシ」は「教師」のことです。ある中国人留学生が東京で「湯」という看板を見て、実は銭湯のこととも知らず、スープをいただけるものと思いそこへ入ってしまったことが実際あったのだそうです。また逆に日本人が「这件事请告诉我爱人。」と書いてあるのを見るとタダごとではないとビックリしてしまいがちだが、これはただ単に、「このことをどうか私の夫(妻)に伝えて下さい。」という意味です。
 これは日本が古代、現在では中国の古典とされる漢文から単語を輸入し、それを日本語として現在も使用し続けているため、このような差異がみられてしまうわけです。逆に中国人が日本語から輸入して使っている漢語もあります。日本が明治維新を経て近代化を達成し、日清戦争で勝利すると、同じ漢字を使い、かつ欧米より近い国だということで、多くの中国人が日本を留学先として選びました。そして欧米の思想や概念を漢字に翻訳していた多くの日本語語彙を持ち帰ったのです。下はその例です。

概念、科学、化学、取消、仮定、関係、幹部、議会、帰納、義務、強制、金融、銀行、組合、主義、警察、景気、経験、経済、恐慌、対象、主観、客観、情報、哲学、単位、通貨、代表、雑誌、宗教、出版、政党

 もちろん、今の中国人は日本から単語が逆輸入されたという意識はないのですが、とにかくこのように日本と中国語はお互いに昔から密接な関係を築いてきたことは確かなことで、中国語ほど日本人にとって親しみやすく学びやすい言語はないということはお分かりになったでしょう。

 先ほど「湯」を「汤」と併記しましたが、「汤」は少数民族のために大陸中国で採用されている簡略化した漢字で、この字体を「簡体字」といいます。大陸中国ではこれを公式かつ正式な文字として使用されています。その他に、「飞机 fēijī フェイチィ」は飛行機のことですが、それぞれ「飛」「機」を簡略化したものです。一方、ひと昔前の香港や現在の台湾では日本とほぼ同じか、日本より簡略化されていない漢字を使っていて、それは「繁体字」と呼ばれています。さらに例を挙げれば「芸術」は簡体字では「艺术」、繁体字では「藝術」です。次回は簡体字についてくわしくお話することにしましょう。

2009年7月広報誌より一部訂正の上、転載しました。

第二课

3.第一课のおさらい
 前回の第一课で中国の経済成長に伴う、中国語の重要性のたかまりと、日中での漢字の意味の違いや、漢字のそのものの違いについて述べました。
 夏期講習中の7月29日朝日新聞8面に「繁体字復権の兆し」という記事が掲載されました。大陸中国では少数民族を抱えているため、漢字を簡略化させた「簡体字」を導入して、これを正式な文字としたのですが、台湾や香港での経済交流の発展、パソコン(繁体字:電脳・簡体字:电脑)の普及で難しい字も書ける、漢字の芸術性を喪失している、繁体字を使う台湾との統一に有利ということで繁体字が見直されているという。一方IT先進国の台湾ではデジタル化が進んでいるのを背景に繁体字を普及させようとしているということでした。今後どうなるかは分らないが、大陸は簡体字・台湾は繁体字ということはすぐに変わりそうにありません。
 日本では大学生は大陸中国で使われる簡体字で中国語を勉強しますので、ここでも簡体字で述べることにします。記事にも簡体字と繁体字の字体の違いを表にしていましたので、その漢字を挙げておきます。

日本語   楽応発図豊専単書無義機飛個学国
繁体字(台湾) 樂應發圖豐專單書無義幾飛個學國
簡体字(中国) 乐应发图丰专单书无义几飞个学国

4.四声
 中国語における漢字の発音は日本の漢字の音読みのように同じ発音が多いのです。日本語の漢字の音読みでは、缶・館・間・官・感などはすべて「カン」と言いますが、中国でも事情は同じです。例えば妈妈(お母さん)・骂(叱る)・马(馬)・吗(か?)という単語があります。これはすべて「ma・マ」です。

Mama ma ma ma
  妈妈 骂  马  吗? (マママママ?)
   

  これは「お母さんは馬を叱りますか。」という意味です。この文はすべて(ma・マ)と発音するのです。しかし、厳密に言うと、違う発音をして区別されます。日本人は若干の声の調子や話の脈絡で判断しますが、中国語では、日本語以上の声の調子で判断します。これを4つあるので「四声」と呼ばれます。
    妈妈は第一声で発音されます。発音は高く伸ばします。記号はmā。アクセント記号は母音文字に置かれます。また妈妈は同じ漢字を重ねています。その二つ目や、ある生活に密着した日常語や基本語に多く、その一つである吗は軽く添えられます。これを軽声と呼び、その場合のアクセント記号は書きません。
第二声は、低い音程から高く上げます。記号はmá。
马は第三声で、低く低く音程を抑えます。記号はmǎ。
骂は第四声で、高い音程から一気に下げます。記号はmà。
 以上まとめると、「妈妈骂马吗?」は(Māma mà mǎ ma?) ネイティブか私まで聴きにきて下さい。四声をマスターしないと別の漢字や単語に受け取られ、誤解のもとになります。単にmaでも「馬」なのか「お母さん」なのか分りません。
    最後に記号について。漢字を見ただけでは、中国語の発音は分りません。小学生や他民族、あるいは外国人のためにローマ字で記号が考えだされたのです。これをピンイン拼音(pīnyīn)とよばれます。これは簡単な文を勉強しながら取り上げていきます。

2009年8月広報誌より転載しました。

第三课 dìsānkè

4.第二课のおさらい
  前回の第二課で中国語の発音表記である、ピンイン拼音(pīnyīn)と発音上重要な四つの声調「四声」を取り上げました。ピンインはこれからご紹介するいろいろな表現とともに勉強していきます。ここでは四声だけおさらいをしておきます。

.人称代名詞                  人を指す人称代名詞を取り上げます。中国語では、英語にあるI (私は)の主格やme (私を、私に)の目的格のような格の変化はありません。これは人称代名詞を文のどこに置くかで決まります。日本語でも文のどこでも人称代名詞を置くことはできますが、「~は」「~を」のような助詞を添える必要があります。でも日本語と違い中国語には助詞がありません。ですので、日本語を習っている中国人は日本語の「私は」と「私が」の区別がつかないのだそうですが、その分、語順が英語以上に大事になってきます。

 

  他・她・它は同じ音です。また、你には「您(nín ニン) あなた)」という敬称があります。複数形では後ろに们(men メン)を添えます。们は軽声なので発音では声調はなく、軽く添えるだけです。

   あいさつで「こんにちは」の意味である「你好(nǐhǎo ニーハオ)」は日本でもよく知られています。この「第三声+第三声」は発音上、注意が必要です。ピンイン表記上はnǐhǎoの「第三声+第三声」のまま変えたりしませんが、前の文字の声調である「第三声」は「第二声」に変わります。つまり、ピンイン表記上「第三声+第三声」のままで「第二声+第三声」で発音されるのです。

 

  低く抑える第三声が続くと、とても発音しにくくなります。それに中国語は発音のリズムが豊かな言語。したがってそのような変化がおきるわけです。抑えられたものが反動で上がるのです。図で、第三声を点線の矢印を添えてあるのはこのためで、この変化はちょうど点線が実線の矢印になる感じですね。次回は、もっとあいさつ表現や数字をとりあげてみますね。

2009年11月広報誌より転載しました。

第四课 dìsìkè

6.量詞
  今回は、予定を変えて、量詞を勉強します。声調変化の文字があるからです。量詞とは日本語の助数詞にあたるもので、「~個」「~頭」「~匹」などのものを数えるときの単位のようなものです。しかし、日中のそれはずいぶん違います。まず中国語の0から10までを確認しましょう。

零、一、二、三、四、五、六、七、八、九、十
líng  yī   èr   sān   sì   wǔ   liù    qī   bā   jiǔ  shí

零は「リン」。第二声です。電話番号を言いたいとき、よく使われます。
一は「イー」。第一声なので高く伸ばして下さい。
二は「アー」。アーと書きましたが、口の中で舌を上げて下さい。「r」はその記号です。
第四声なので、音程を下げてください。
三は日本語と同じ「サン」。ただ第一声なので、日本語より高く。
四は「スー」。また述べますが、sの後のiは「ウ」と添えます。第四声です。
五は「ウゥ」。第三声なので、抑えた感じ。
六は「リョォウ」。間に「ォ」の音を軽く入れます。第四声です。
七は「チー」。息で発音する感じで。第一声です。
八は「パー」。喉の奥で発音されます。「バ」より「パ」に近い。
九は「チョォウ」。六と同じで「ォ」の音を軽く入れます。
十は「シ」。舌先を少しあげて発音します。

  それでは、日本語の「ひとり(一人)」ですが、中国語では「一个人」。「个(ge グ):軽声」は量詞で「個」の簡体字。また中国語では「数字+量詞+名詞」の形になります。主な量詞を挙げつつ、用例を挙げておきます。

量詞 用法 用例
人や物、抽象的なもの 一个人(yīgerén イーグレン) 一人の人  
事柄・衣服 一件事(yíjiànshi イージェンシ) 一つの事
書籍 一本书(yìběnshū イーベンシュ) 一冊の本
平面的の物  一张桌子(yìzhāngzhuōzi イージュアンツ) 机一つ
細長いもの 一条河(yìtiáohé イーティアオホー) 一本の川
対のもの 一双鞋(yìshūangxié イーシュアンシエ) 靴一足
柄や取っ手のある物 一把伞(yìbǎsǎn イーバーサン) 一本のかさ

   表をよく見て下さい。「一」は本来、第一声ですが、中には第一声になっていないものがあるでしょう。前回は第三声+第三声になれば、第二声+第三声に変わることを解説しました。
「一」の発音も変化するのです。「一」の後ろに一声・二声・三声の語が続くと四声に、後ろに四声の語が続くと二声に発音されます。ピンイン表記も変化します。一件事はyījiànshiでなく、yíjiànshi。一本书はyīběnshū でなく、yìběnshū になります。
   次回はもう一つ、声調は変わる文字があるのでそこからご紹介します。また、今回できなかったあいさつの表現をもっとご紹介していきます。

2009年12月広報誌より転載しました。

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